厩舎と騎手の関係その1


競馬の世界は非常に小さなサークルです。その中でレース賞金を稼いで、
調教師も騎手も厩務員も調教助手も生計を立てている。
しかも、そのほとんどは よそ者が入り込めない社会で、
ガッチリと血縁関係で固められている。

コレは何を意味するのか?
結論から言えば、人間関係がレースにかなりのウエイトを占めていると言う事実である。

例えば、関係の深い騎手に調教師はいい馬をまわし、勝負をかけるし、
同じ一門の仲のいい厩舎の有力馬が出走してくれば、援護射撃を行なう。

いい例が、同じレースに逃げ馬が出た場合です。
騎手にしろ、厩舎にしろ、親密な関係にあれば、お互いが無理に競り争い、
共倒れになることは避けようとする。
逆に関係の薄い厩舎の有力馬には、玉砕覚悟で競りかけ、
一門の追い込み馬に有利な展開になるよう取り払うことだって出来る。
(最近では、フェブラリーSなど) 

当然、関係の深い厩舎などの面でも手助けをしようとするのが人情と言う物だ。
そのかわり、自分の管理馬や騎乗馬がここ一番のときには、
貸しを返してもらうと言う協力関係にある。

審議の対象になった時も、人間関係がものを言う。
明らかに失格に値すると思われる不利を被っていても、強く抗議はしない。

反対にライバル関係にある厩舎の1着馬が斜行し不利を受けた上に、2着の場合は、
とことん不利を言い立てる。

それでなくても、厩舎と騎手の人脈を知っておけば、勝負がかりを見抜く大きなヒントになる。



 1、基本となるのは師弟関係。

新人騎手は必ず最初はどこかの厩舎に所属するし、
調教師になるためには、いずれかの厩舎で厩務員や調教助手として修行した後に、
調教師試験に挑み、合格して開業と言う道をたどる。

つまり、そんな騎手も、調教師も師匠がいるわけで、古い体質を
未だに根強く留めている競馬サークルでは、この師弟関係はずっとついて回る。

ただし、師弟関係といっても深い絆で結ばれている場合もあれば、
かつての師匠と弟子であっても、反目しあう関係になってしまう例もある。
また、一人だけ結ばれなければならないと決められているわけでもない。

例えば、南井調教師。
騎手時代、最初は、工藤厩舎だったが、星川厩舎、宇田厩舎と順に移籍し、フリーとして現役を終えた。

さらに、調教師になって後、関東に出て、リーディングトレーナーの藤沢和雄調教師の元で
1年間修行をした田原成貴調教師のような例もある。


 2、師弟以上に強い絆は、血縁関係

息子がいれば普通、継がせるのが習わしで、騎手にならなければ、
調教助手として修行をつませ、後継者にする。

もし、男の子に恵まれず、娘なら娘婿として騎手を迎え、厩舎を継がす。
そのため、親子、娘婿、養子と言う関係から始まって、
甥、叔父といった身内の人脈がしっかりと形成される。

こうした血縁関係は優先順位第一で勝負につながる事が多い。


 3、同期

騎手時代、競馬学校で同じ釜の飯を食べ、苦労を分かち合った絆は思った以上に深い。

例えば、引退の1週間前に南井騎手が関東に遠征してきた時に、
勝負馬を構えたのが、同期だった大江原調教師。
おかげで南井騎手はマイネルタンゴで春菜賞に勝つ事ができた。

冷や飯を食わされている騎手や乗り馬に恵まれない騎手に
同期の調教師や騎手が手を差し伸べるケースもまま見られる現象だ。

また他にも、坂本勝美調教師と藤沢和雄調教師のような関係もある。
坂本調教師は、現役騎手時代、藤沢調教師のお気に入りで、
藤沢調教師は坂本調教師の仲人を務めている。

こうした関係は、なかなか外からうかがい知ることはできないが、
競馬週刊誌などには、時折情報が掲載されているのでチェックしておいた方が良い。


*これは某雑誌から抜粋して掲載しております。*

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